キッチンシンクに使用されるステンレス

ステンレスとは、鉄を主成分として、これにクロムやニッケルを含有させた合金のことです。一般的な定義では、クロムを約11%以上含有させた鋼のことをステンレスと呼びます。

 

その理由として、クロムの含有量が約11%以上になると、さびにくさ(耐食性)が飛躍的に向上するようになるからです。ステンレスとは、ステンレススチール(Stainless Steel)の略称であり、直訳すれば「錆びにくい鋼」となります。

 

注意すべきは、決して「錆びない鋼」ではないことです。ステンレス製のキッチンシンクの場合、使用しているステンレスの種類を「18-8」といった記号で表します。これは、そのステンレスの概略組成を表したものであり、この場合「18」はクロムの含有量を表し、「8」はニッケルの含有量を表しています。

 

キッチンシンクに使用されるステンレスは、ほとんどオーステナイト系ステンレスと呼ばれているものです。機械的性質や溶接性などに優れているために、多くの用途に使用されています。「18-8ステンレス」は、ステンレスの鋼種では「SUS304」となり、ステンレス全体の中で最もポピュラーな鋼種です。

 

家庭用品から原子力まで幅広く使われており、冷間加工により硬化しやすい性質を使うことで、ばね用材料としても広く使われます。

 

「18-10ステンレス」は、ステンレス鋼種では「SUS305」となり、高ニッケルのため加工硬化が低く、絞り加工性に優れています。ただし、張り出し加工性については劣ります。高ニッケルにすることで、非磁性の性質を有していきます。医療器具、電子銃部品などに使用されることが多いようです。